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オランダでフィジオを学ぶ学生の、見て、感じて、思ったこと。

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何とかして、ゲームのように熱中できる目標設定はできないもんか。

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何かを成し遂げようとするなら、それに対する「目標」「プロセス」を考えるのは重要というのは重々承知だと思います。
 
「目標」が無ければ、向かう方向性が定まりませんし、  
「プロセス」が無ければ、目標に向かってまっすぐ突き進むことができません。
 
そんなことは十二分に分かっているのに、なかなか目標を達成するのは簡単ではないものです。  
僕自身も、目標を立てるもなかなか上手くいかず、気がつけば大好きなゲームに手を染めてしまうなんてことがよくよくあります。
 
ここでふと思うわけです。
「なぜ、ゲームはここまでも熱中できるのか。」  
「このゲームの仕組みを目標に組み込めば、目標に向かって熱中できるんじゃなのか?」  
 
というわけで今回は、
人がゲームに熱中する仕組みとそれを使った目標設定について話していこうと思います。
 
 
 
 

ヒトの欲求とは何なのか。

私たち生物は、「欲求」に従って動いています。  
お腹が空けば、半分だけと思って開けたポテチの袋が気付けば空なのは食欲があるからです。
 
「欲求」は本来、厳しい生物界で生きていくために必要な行動を行うためにプログラムされたものです。  
ライオンに追いかけられたことがある人はわかると思うんですが、ライオンに追いかけられているときはどれだけお腹が空いていても食欲は湧いてきません。  
それは、まずはライオンから逃げることに全力集中するために、生存欲求が優先的に働くようにプログラミングされてるからです。
 
動物の欲求を理解するのは、幾分簡単かもしれませんが、  
私たちヒトは、前頭葉が発達してしまったがためにいろんなことを考えられてしまい、欲求も複雑化してしまっています。  
その結果、私たちは自分の欲求とは何なのかちゃんと理解できていないわけです。
 
そんな複雑化した私たちの欲求を説明する理論として有名なのに以下のようなのがあります。
  • マズローの欲求段階
  • マクレランドの欲求理論
 
 

マズローの欲求段階

 

 
まず、超有名なのが「マズローの欲求段階」です。
 
マズローの理論では、欲求を以下の5つに分類します。
  • 生理的欲求
  • 安全と安心の欲求
  • 集団への所属欲求
  • 自尊心の欲求
  • 自己実現欲求
 
そして、この理論の重要な点は、
下の層の欲求が満たされることで、次に一個上の欲求が現れる。
ということです。
 
 食欲や性欲のような「生理的欲求」を人間は最優先で満たし、
その欲求が満たされると、次に身の回りの安全を確保する。
続いて、社会的欲求に分類されるような、「集団への所属」→「自尊心の確保」→「自己実現欲求」へと欲求の内容が移り変わっていくということです。
 
 

マクレランドの欲求理論

続いて、ヒトがどのようなことにモチベーションを得るのか。という観点でなら「マクレランドの欲求理論」というのがあります。
 
マクレランドの理論では、欲求を以下の4つに分類しています。
  • 達成欲求:目標を達成したい欲求
  • 権力欲求:他者より優位に立ち、影響力を与えたい欲求
  • 親和欲求:他者と友好的な関係を築きたいという欲求
  • 回避欲求:失敗や困難を避けたという欲求
 
感覚的にわかると思いますが、どちらかというとモチベーションに近い欲求理論です。
 
この理論がマズローの理論と対照的で面白いのは、互いが干渉し合うということでしょう。
テストでいい点を取りたいけど(達成欲求)、勉強するのはいやだ(回避欲求)。
Aさんに告白したい(親和欲求)、けど振られるのが怖い(回避欲求)。
 
この2つの状況で、仮に、
暗記パンがコンビニで売っていたり、Aさんが自分のことが好きだと友達に知らされたら、きっと達成欲求や親和欲求が優勢になって行動しやすいと思います。
 
 

ゲームは何であんなに熱中できるのか。

少し心理学な話になってしまいましたが、この話のテーマは、
「ゲームのように夢中できる目標設定ができれば、目標に向かって熱中できるんじゃないの?」
ってことでした。
 
「何故に、ゲームはあんなにも熱中できるのか。」
 
仕事や勉強だってやりがい持ってやっているし、
マズロー理論でいう自己実現欲求や、マクレランド理論でいう達成欲求や権力欲求に乗っかってるじゃないか。
なのに、なんでゲームだけはあんなにも熱中できるの?????
 
これを説明するのに、もう一個の心理学の理論を説明させてください。
 
 

ゲームに熱中させるミハイ・チクセントミハイのフロー理論

 
ミハイ・チクセントミハイのフロー理論というのは、ヒトが何かに熱中する「フロー状態」はどいう時に起こるのかという話です。
 
ゲームっていうのは、
簡単すぎると退屈でつまらん、けど難しすぎるとクリアできる気がしないしやりたくない。
というものだと思います。
 
まさしく、それを説明したのがミハイ・チクセントミハイのフロー理論です。
 
内容はいたってシンプルです。
自分のレベルと、難易度が合わなければやる気がしない。という話です。
 
 

フロー理論で見落とされがちなポイント

フロー理論の概要だけだと、当たり前でしょ。となると思います。
なんなら、一般的によく言われているはないです。
 
ですが、このフロー理論が成り立つ条件というのもミハイ・チクセントミハイはあげています。
  • 目標が明確であり、認識できること
  • 自分のレベルが明確に認識できること
  • 即時性のあるフィードバックがあること
 
これが現実世界とゲームの中の世界との違いでしょう。
 
ゲームの中の世界では、
  • ラオシャンロンの体力は18666というように、目標となる数値が明確で認識できる。
  • 攻撃力365の双剣というように、自分の能力も確実に認識できる。
  • 50分という短時間の間に、怯んだり、部位損傷が起きたりするフィードバックがある。
(2Gの村長クエストでの話)
 
現実世界では、
  • プロサッカー選手になるために必要な能力は不明。
  • 自分の能力がウイイレのようにわかるわけではない。
  • 50分じゃ何も起きない。
 
特に、現実の辛いところは、
「50分じゃ何も起きない。」ということです。
つまり、フィードバックが明らかにゲームより少ないわけです。
 
 

夢中になれる目標を立てる

さぁ、ここまで長々と欲求の話とフローの話をしてきましたが、どんな結論になるのか。だいたい予想の範疇だと思います。
 
「ヒトは欲求に対して目標を設定して、さらにそれに対するフィードバックがないとモチベーションが保てない。」
ということです。
 
よくやってしまう上手くいかない目標設定は、
  • 欲求に沿っていないパターン
  • フィードバックがないパターン
が多い気がします。
 
自分も、このブログのモチベーションを保つのにこれで失敗した感はあります。
月々のアドセンス収入に目標を置いてしまったがために、2,3ヶ月数字が伸び悩んでおかげでモチベーションが壊滅しました。
 
むしろ、ツイッターのいいねとか、記事単体のビュー数とか、短いスパンでフィードバックされる目標にしておけば、2,3回ぐらい連続で悪くてもまだモチベーションが保てたんだろうな。
ってこういう観点で考えれば思います。
 
というわけで、自分への戒心を含めた目標設定の話でした。
それでは!
 
 
 
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