東京五輪の医療スタッフ無報酬は選手へのリスペクトとしてどうなのか。
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皆さんどうもこんにちは。
すごく今更感はありますが2020年に東京オリンピックがあります。
誘致が決まって以来、問題ばかりで盛り上がってるんだか盛り上がってないんだかよくわからない感じになってしまってませんかね。笑
数ある問題の中でも、自分として注目ていているのが医療従事者の報酬でのボランティアというところです。
繰り返しますが非常に今更なのですが、
医療スタッフの無報酬ボランティアについて今回は自分の思うところ話行きたいと思います。
医療従事者のボランティア条件
まず最初に医療従事者かどういう条件でボランティアをするのかっていうことをまとめておきます。
例えば僕僕に最も関係にある理学療法士のボランティアの場合は以下のような条件があります。
- 理学療法士の資格取得5年以上
- スポーツ分野の実績が3年以上
- 必要な語学力を身につけていること
この三つすべてを満たす人を500人募集しているというわけです。
もちろん、大会期間中に10日以上は参加しないといけないという条件だったはずなので、労働量としては間違いなく報酬を支払わないといけないラインではあります。
個人的な視点と社会的な視点
さて、よく言われる意見として出てきてるのは以下のようなものなのではないかなと思います。
- その人はやりたくてやってるんだからいいんじゃないのか。
- 有資格者に責任ある仕事を無報酬でやらせるということは考えられない
つまりはこの問題は、参加者個人の視点と社会的な視点、両方から考えなければいけないということです。
個人的な視点で見れば、
東京オリンピックでトップレベルは選手に関われるチャンスを得られるのであれば無報酬でも十分にリターンの期待できる条件だと思います。
これに関しては僕もそうです。
正直僕も条件を満たしていれば参加したいぐらいです。
一方で社会的に見ればこれはとんでもないことです。
医療保険制度が物語るように医療というのは社会の中で重要な役割を果たす存在です。
重要な役割であるがために政府は医療保険制度を通じて社会のシステムとして医療を組み込んでいるわけです。
そういう存在にある医療をやりがいや奉仕の心で簡単に無償にしてしまうと、医療が社会の中で担う責任感や役割というものは何だったのかという話になります。
というように、これらの意見は根本的な視点が違うのでどっちが正しいどっちが間違ってるという話ではないと言う風に思います。
お金の問題なのか
ではここから個人的な意見を話していこうという風に思います。
まず一個目として今回東京オリンピックで無償のボランティアとして医療スタッフを投じるという決断をした理由に予算不足の問題が挙げられています。
まずそれに関して本当にそうなのかってことはかなり僕は疑問に思います。
東京オリンピックの予算は現状、約1兆6000億円です。
続いて、今回どれぐらいのボランティアが必要なのかと言うと 、オリンピック組織委員会の計画について日本経済新聞には以下のように述べられています。
組織委の計画では、会場の収容人員1万人当たり、観客用の救護所を1カ所設置し、医師2人、看護師4人を配置。選手用医務室にも医師、歯科医師、看護師、理学療法士らを配置する。
まだ東京オリンピックのホームページのボランティア募集ページにあるヘルスケアスタッフの募集人数は6000人〜8000人になっています。
6000人から8000人に10日間働いてもらうためにはどれほどの人件費が必要なのでしょうか。
仮に一人当たり1日1万円とすると、のべ8万人・日の人件費が必要なわけなので、
8億円が必要になります。
1兆6000億円の予算の中で8億円を削ることで何が生まれるのでしょうか。
東京オリンピック後にもスポーツを盛り上げ維持していこうというスポーツ庁の方針がある中で、この8億円を削るメリットはそんなに大きいのかというふうに思ってしまいます。
実務経験5年、スポーツ実績3年あれば誰でも参加できていいのか。
もうひとつ僕が疑問に思ったことは、参加基準と選手へのリスペクトです。
- 理学療法士の資格取得5年以上
- スポーツ分野の実績が3年以上
- 必要な語学力を身につけていること
これを満たそうと思えばそれなりに意欲的に活動していないといけないということは確かです。
特に理学療法士がスポーツ現場で活動するというには、それなりに自分からアクションを起こしていかないと機会を掴めないというのは現実問題なので、
これを満たす人は意欲的に活動しているということは確実でしょう。
ましてボランティアに参加するんですから、間違いなく意欲的です。
逆に意欲的に活動してればそれなりに多くの人が満たしていると思います。
少なくとも500人の枠に対して5000人や1万人程度の理学療法士はこれを満たすことができるんじゃないでしょうか。
じゃあこの5000人は1万人の中からどういう形で500人に絞られるのか。
それはつまり意欲ですよね。
意欲的であることはトレーナーとして活動する上で非常に重要なことです。それに関しては僕を全く否定するつもりはありません。
ただ、
最低限の実務歴と意欲があればオリンピックレベルの選手に簡単に携われてしまっていいのかと、
それはオリンピック選手に対して失礼なのではないか
というふうに僕は思います。
オリンピック選手に関われるということはつまりオリンピック選手のコンディションやメンタル的な部分にダイレクトにに影響することができてしまいます。
そこに関しては意欲ではなく実力や経験という部分でしっかり評価されるべきではないのかと。
そのためにはもちろん、それなりの信頼できる機関に声をかけて、それ相応の報酬が支払わなければ実力や経験があるトレーナーは呼べません。
個人的に参加するトレーナーの方に関しては意欲的で素晴らしいことですし、その意欲は絶対に大事だと思います。
繰り返しになりますが僕も応募条件が満たせれば参加したいです。
ただ実際問題、意欲的かどうかで判断されてしまっているこの参加基準で無報酬と言う条件は、今後日本のスポーツを盛り上げていこうというスポーツ庁の考えからして、実績あるトレーナーと選手への尊敬としてどうなのかなという風に思います。
以上です。