アメリカのスポーツトレーナー(ATC)はなぜ日本より稼げるのか
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こんにちはー
「日本のスポーツトレーナーの現状とは?」がちょくちょく読まれているようなので、
じゃあ、海外はどうじゃい。という話をインターンに行った経験からしていきます。
特に、トレーナーの仕事環境が整っているのはアメリカです。
そのアメリカでは、
①ATC(Certified Athletic Trainer)
②CSCS(Certified Strength and Conditioning Specialist)
の2つがスポーツトレーナーの主な資格になります。
ATCはメディカルスタッフで、選手の怪我の診断から試合復帰までと、怪我の予防のメディカルな部分を担当するトレーナーになります。
一方で、CSCSはストレングスコーチと言われ、選手のパフォーマンスをより向上させることが専門分野になります。
他にも、いわゆるスポーツドクターであるPhysicianや、理学療法士にあたるPhysical Therapistもスポーツチームで働いています。
では、本題のATCがなぜ優れているのか。について語っていきます!
給料
最も分かりやすく、明らかに違うかというとは給料です。
日本体育協会は日本のATの年収の割合は以下のように発表しています。
無報酬 |
~100万 |
~200万 |
~300万 |
~400万 |
~500万 |
500万~ |
無回答 |
25% |
20% |
6% |
8% |
8% |
3% |
17% |
13% |
これを平均すると、日本のスポーツトレーナーの給料は200~400万円と言われています。
一方で、アメリカのATCの給料はどうでしょうか。
ATCの組織NATAの調査では、ATCの平均給料が学歴ごとに発表されています。
学士号…約572万円
修士号…約634万円
博士号…約945万円
これはフルタイムでの給料で、パートタイムやGraduate assistantなどインターンシップでステップアップする場合もあるので一概には言えませんが、全体的に給料が良いことは明確でしょう。
仕事の需要
なぜ、給料がいいのか。という質問の答えになるのが、仕事の需要があるからです。
世の中は需要と供給のバランスで成り立っていますよね。つまり、仕事が多いからトレーナーは仕事を選ぶことができ、給料が高くなるということです。
ATCの教科書「Principles of Athletic Training」には、ATCの職場が以下のように挙げられています。
・クリニックや病院
・会社(社員の健康管理を行う職務)
・大学・専門大学
・高校
・プロスポーツ
・アマチュアスポーツ
・パフォーマンス集団(サーカスやダンスなど)
・軍隊
・ジム
高校では、常勤のATCを雇わなくてはいけない。というルール(州にもよる)があるなど、アメリカ全体の医療の中で重要な役割を担っていることで、仕事の需要を得ていることが日本との違いと言えます。
(余談ですが、教科書の1ページ目にはATCが社会的役割を得てきた50年の経緯を習います。笑)
医療環境の違い
日本では、医者の地位は確立しているので手術や診療の設備はもちろん優れています。
しかし、トレーナーはそうではないのではないでしょうか。
「アメリカのATCは社会的な役割が大きい=それに見合った設備が用意される。」
という風になっています。
左は大学、右は高校のATルーム、つまりトレーナーが選手の診断やケア何かを行う部屋です。
大学の施設に関しては、ベッドが8台、テープ用のイスが20台、電気、超音波、圧迫アイシング機、水風呂、などなど。
日本じゃプロでもありえない設備が揃ってます。(これは本気で感動した。)
日本の大学や高校でも日本のATが働いていますが、ここまでの環境はまずないと思います。
資格に必要な知識レベルの高さ
アメリカのATCになるためには、大学または大学院の運動学部に入学し、AT Programというプログラムに入り課程を修了することでATC認定試験に受けられました。
そして、このAT Programは結構人気な割に1学年十数名しか入れないので簡単には入れないというプログラムなんです。
更に、2018年から学士号のプログラムは完全廃止になることが決まりました。
つまり、運動学修士号のAT Programを卒業しないと試験を受けられない!という非常に学力レベルが高い資格になっています。
一方で、日本のATは専門学校(店員割れしていることもしばしば。)を経て試験に合格すればいいので比較的取得は簡単です。
これは、日本のATがレベルが低いと言っている訳ではありません!笑
ただ、資格を取った後、仕事が見つからずに辞めて行ってしまうというケースは日本に比べアメリカのATCでは非常に少ないです。
これも需要と供給のバランスで、日本のATは供給が多すぎるから資格を取った後が大変。一方で、アメリカのATCは資格を取れれば仕事は見つけられる。
努力で確実にスポーツを仕事に出来るのがATCという訳です。
スポーツ文化の違い
やっぱり、スポーツ文化が盛り上がっていればトレーナーのやりがいに影響しますよね。自分がアメリカに行って一番違いを感じたのはここでした。スポーツに対する盛り上がりがすごんい。
上の写真は両方とも、ハワイ大学の部活の試合です。
自分が行った試合は格下との試合と、消化試合という訳で、観客全然入っていないんですが、因縁がある試合とかでは、左の4万人のスタジアムが埋まるらしいです。
アメリカのスポーツはエンターテイメントとして観客が楽しめる工夫がたくさんあって、試合中は演出が加わって盛り上がってる。ハーフタイムはショーで盛り上がってる。と、会場がめちゃ盛り上がります。
その結果、みんなワイワイやりながら試合を楽しんでるので、自分の仕事が選手を通して観客に影響していると思えるアメリカの環境は自分は魅力的だなと思いました。
これは、個人的な意見かもしれませんが。笑
まとめ
というわけで、アメリカのトレーナーの良い点を5つ紹介しました。
まとめると、スポーツが盛り上がってるから、トレーナーの需要もあって、そこにしっかりとした知識があるトレーナーが働くから、給料も高くなる。トレーナーとして働き続けられる。こういう訳です。
こういう好循環が生まれているから、アメリカのATCは日本のATより魅力的な仕事でしょーーう。
以上!
P.S.
アメリカでATCを目指している友達が、AT Programがる各大学院の入学条件と学費をまとめています。意外と、語学レベルがあれば入れたり入れなかったり。
アメリカの大学院に行こうか悩んでいる人は一度見てみてはどうでしょうか。